東京マラソン2025でのアクシデント…低体温と低血糖ってどんな関係?対策は?

2025年3月2日、「東京マラソン2025」が開催されました。東京都庁から東京駅前・行幸通りまでの42.195kmを走るこの大会は、9月の世界陸上東京大会の代表選考会も兼ねているため、トップランナーたちが集まる注目のレースでした。
そんな中で話題になったのが、青山学院大学4年の太田蒼生選手の途中棄権。
36km地点で体調を崩し、レースを続けることができなくなったのです。原因は低体温と低血糖。どちらもマラソンランナーにとって危険な状態ですが、この2つにはどんな関係があるのでしょうか? そして、どのように対策すれば防げるのでしょうか?
今回は、マラソン中の低血糖や低体温の原因と予防策を、わかりやすく解説していきます!

低体温と低血糖の関係とは?
低体温と低血糖は、一見すると別々の問題のように思えますが、実は深い関係があります。
低血糖とは?
低血糖とは、血液中の糖(ブドウ糖)が足りなくなる状態のこと。ブドウ糖は体を動かす大事なエネルギー源ですが、長時間走り続けるとどんどん消費されてしまい、補給が間に合わないと低血糖に陥ります。
低血糖になると…
✅ 手足が震える
✅ 体がだるくて力が入らない
✅ 集中できず、意識がもうろうとする
特にマラソンの終盤になると、エネルギーが枯渇しやすく、低血糖になるランナーも少なくありません。
低体温とは?
低体温は、体温が35℃以下に下がってしまう状態。通常、走っていると体が温まるはずですが、長時間運動していると汗をかいて体が冷えたり、寒さや風の影響で体温が奪われたりすることがあります。
低体温になると…
✅ 体が震えて寒さを感じる
✅ 動きが鈍くなる
✅ ひどくなると意識がもうろうとして危険
低血糖が低体温を引き起こす?
低血糖になると、体のエネルギーが不足して熱を生み出す力が弱まり、体温を維持しにくくなります。さらに、レース中は汗をかいて体が冷えやすくなるため、気温が低いと低体温症に陥るリスクが高まります。
つまり、低血糖→エネルギー不足→体温低下→低体温症という悪循環が起こる可能性があるのです。

なぜ低血糖や低体温が起こるの?
では、マラソン中に低血糖や低体温になってしまう原因を見てみましょう。
1. エネルギー不足(低血糖の原因)
- レース前の食事で炭水化物が不足していた
- 走っている間に十分なエネルギー補給ができなかった
- 長時間の運動でエネルギー消費が激しくなった
2. 天候や環境の影響(低体温の原因)
- 気温が低く、汗をかいた体が冷えた
- 風や雨で体温が奪われた
- 汗を吸ったウェアが乾かず、体を冷やしてしまった
3. 体調やレースのペース配分
- 疲れがたまっていた
- オーバーペースで走り、体力を消耗しすぎた
- 水分やエネルギーの補給を忘れてしまった
低血糖・低体温を防ぐための対策
では、こうしたリスクを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか? 以下のポイントを意識すると、安全にマラソンを楽しむことができます!
1. レース前にしっかり準備をする
✅ **カーボローディング(炭水化物の蓄積)**をする
レースの数日前から、ご飯・パスタ・パンなど炭水化物をしっかり食べて、体内にエネルギーを蓄えましょう。
✅ 体調を整える
睡眠をしっかりとり、無理なトレーニングは避けて、万全のコンディションで挑みましょう。
2. レース中のエネルギー補給を忘れずに
✅ エネルギージェルやスポーツドリンクを活用する
30分~1時間ごとに、エネルギージェルやバナナなどを摂取して低血糖を防ぎましょう。
✅ こまめな水分補給も大切
スポーツドリンクや水をこまめに飲み、脱水を防ぎます。
3. 低体温を防ぐための工夫
✅ 適切なウェアを選ぶ
寒い日は、ウィンドブレーカーやアームウォーマーを着用すると体温をキープしやすくなります。
✅ ゴール後はすぐに体を温める
走り終わった後は、すぐに上着を着たり、温かい飲み物を飲んだりして体温を回復させましょう。

まとめ:楽しく安全にマラソンを走るために
東京マラソン2025では、太田蒼生選手が低体温と低血糖によって途中棄権するという出来事がありました。これらはどんなランナーにも起こりうる問題ですが、事前の準備や適切な対策をすることで防ぐことができます。
✅ レース前の食事でエネルギーを蓄える
✅ レース中のこまめなエネルギー補給を忘れない
✅ 寒さ対策をしっかりして、体温を守る
これらを意識して、楽しく安全にマラソンを走りましょう!