子どもを守る!避難について考える(2)
これから台風が頻繁に発生する季節になります。
台風だけではなく、最近は大雨や地震などの発生も多く、いつ、どこで、だれが被害に遭う かわかりません。 「備えあれば憂いなし」 です。
もしもにしっかり備えておきましょう。
非常持出品と備蓄品の準備
非常持出品と備蓄品の準備はできているでしょうか。
台風や大雨が原因で起こる土砂災害や洪水浸水などの災害はいつ起こるかわかりません。 災害が起こったとき、自分や家族を守るためにも、普段から、災害が起こった時のための準 備をしておく必要があります。
避難する時の「非常持出用」 と、 被災直後の生活に必要な 「備蓄用」 を準備しておきましょ う。
1 非常用持ち出し袋の準備 (避難時に持ち出すもの)
自宅から避難する際に必要なのが、 最低限の食料や着替えなどを入れた非常用持ち出し袋 です。 避難時に必要となるものを袋などに入れて、 すぐに持ち出せる場所に用意しておきま しょう。
しかし、 あまりたくさん持つと重たくて避難に支障が出るので注意が必要です。 同じ種類のものなら、軽量でコンパクトなものを選び、 準備ができたら本当に持って避難できるか、実際に持ってみることが大事です。
災害の「備え」 チェックリスト 出典: 首相官邸ホームページ
災害が起きる前にできること 出典: 首相官邸ホームページ
●非常持出品の一例
・飲料水
・食料品 (缶詰やビスケットなど、 火を通さずに食べられるもの)
・貴重品 (現金、 小銭、印鑑、 預金通帳、 クレジットカード、健康保険証 (マイナンバ
ーカ ードなど)
・懐中電灯、携帯ラジオ、 モバイルバッテリー、 イヤホン
・ヘルメット、 防災ずきん、軍手
・救急用品 (消毒液、 常備薬、包帯など)
・感染予防グッズ (マスク、消毒用アルコール、体温計など)
・衣類、下着、タオル、毛布、雨具
・洗面用具、ウェットティッシュ、 携帯トイレ、 生理用品など
※乳児のいるご家庭は、ミルク・紙おむつ ほ乳びんなども用意しておきましょう。
避難所で 「食事は出ないのか」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
「震災のときには避難所で食べ物の配付があっているではないか、ここではどうしてないんだ。」とその方は怒っていました。
この方はご存知なかったのかもしれませんが、避難所には自分の食料は自分で持参しなければなりません。 場所によっては毛布なども持参するようになっています。
私たちはその後、子どもが泣き出して避難所から自宅に戻ったため、 持ち合わせていたパン やお茶、 パックジュースをその方に差し上げて帰ってきました。
2 備蓄品の準備
大規模災害が発生した場合、 物流や電気やガス、水道などのライフラインがストップしたり、 よくニュースでなどで耳にするように、 救援物資がすぐに届かなかったりする恐れがあり
ます。
備蓄食料は、 ローリングストックという備蓄方法がおすすめです。
ローリングストックとは、 循環させながら (ローリング)、備蓄 (ストック) するという意 味です。
日頃から家庭で必要な食料や生活用品などを備えておくことで、住み慣れた自宅で生活を 続けることができます。
防災のために特別なものを用意するのではなく、普段使っている食材を多めに購入し、賞味 期限が近づいたら消費して、 また新しいものを追加するという備蓄方法です。
保管場所がない、 保存期間が長い食品に安心していたらうっかり賞味期限が切れていたと いうこともありません。
食べた分だけを買い足せばいいローリングストックは、 買い物が楽で、 特に知識は必要あり ません。 災害時は生活が一変することもありますが、いつも食べ慣れたものを口にすること ができれば、ホッとして、ストレスも軽減できます。 好みの味やおいしいと思える食品など を見つけたら、 少しずつ買い足していきましょう。 食べた分だけを補充するため、賞味期限 切れの心配がありません。
収納場所は、キッチンの引き出しなどに決まった場所を作ると、 管理しやすくなります。 物置やクローゼットなどにしまい込まず、目につくところに保存しておきます。
賞味期限が概ね1年ほどの食材を準備し、順番が前後しないように古いものから消費する ようにしましょう。
缶詰、レトルト食品、乾麺などの種類ごとに仕切りを作ってまとめておくと、管理が簡単に できます。
備蓄食料の選び方
備蓄食料は栄養、日持ち、味、持ち出しの4点をポイントに選びます。
1. 栄養
災害時の非常食
災害時の非常食は、とにかくお腹を満たすために、 ごはん・パン・麺などの炭水化物が中心 になりがちです。 炭水化物はエネルギー源として重要ではあるのですが、タンパク質、ビタ ミン・ミネラル・食物繊維が不足し、 栄養バランスが偏って、体調不良や病気になる可能性 もあるため、注意しなければなりません。
たんぱく質は、私たちの体を作るために必要な栄養素です。 筋力や活力の維持に役立つため、 たんぱく質不足は、 筋力や免疫力の低下を引き起こします。
災害後は片付けなど体力を使うことも多く、栄養の不足は災害後の生活に大きな影響をも たらします。
肉や魚の缶詰、レトルト食品など、 そのまま食べられる加工食品を備蓄しておきましょう。 火を使えないと不足しやすい栄養素も、 缶詰やレトルト食品なら、 そのままでも食べられ、 変化もつけられます。
ビタミン・ミネラル・食物繊維は健康維持に欠かせない栄養素で、 野菜不足により摂取でき なくなると、 便秘・口内炎などの体調不良を引き起こします。 普段からじゃがいも、にんじ ん、かぼちゃ、玉ねぎといった、日持ちのする野菜を多めにストックしておきましょう。 調理ができるようであればこれらを摂るようにし、できないときのために、野菜ジュース、 ドライフルーツなどを常備しておきましょう。
コンロとボンベ
災害の状況にもよりますが、 私が体験した際に感じたのは、水は給水車などがわりと早目に 動いてくれますので、 卓上コンロやボンベなどがあれば早い段階から何とか煮炊きができ ます。 そのため、コンロなどを備蓄しておくと食べられるものの幅が広がります。
冬に鍋をするための卓上コンロでもいいですし、キャンプで使用する携帯のコンロでもい いと思います。 日頃使用して慣れているものが使いやすいですね。
食べ物のバリエーションが広がると生きる力も湧いてきて、温かいものを口にすると心が 落ち着き、前向きになれます。
2.常温で日持ちする食材
災害時の備蓄ポイントは、「常温で日持ちする食材」 です。 それがあれば、ライフラインが停止して冷蔵庫が使えなくても、1週間は食べ続けられます。最低でも半年以上、 1年ほど 日持ちする食品が適しています。
代表的な食材には、缶詰、インスタント食材、パスタ、 調味料 乾物などがあります。
どれもスーパーマーケットなどで、すぐに手に入れることのできる身近な食材です。 日頃か ら買い足しておきましょう。
我が家はペットボトルの水、 缶詰 (パン、乾パン、ビスケット、総菜) レトルト食品 (温 め不要のものも含む)、カップ麺などを購入し、入れ替えながら備蓄しています。
私が備蓄している缶詰のパンは防災用のものなのですが、防災用でなくても大丈夫です。 保存期間が5年と長いので便利ではあるのですが、賞味期限を忘れてしまうということも 起こります。 避難中は日頃食べ慣れたものを食べることで、ホッとすることもありますので、 保存期間の長い防災食にそれほどこだわらなくてもいいのではないかと思います。
あると便利なもの
あとは紙皿、紙コップ、 割りばし、スプーン、フォーク、ラップなどがあると便利です。 最近の缶詰は缶切などを必要としないものが多いのですが、 たまに必要な場合もあります ので、そういうものを備蓄するときは缶切も一緒に入れておきましょう。
3.おいしいもの好きな味のものを選ぶ
災害時はストレスが溜まりやすいもの。 おいしいものや好きなものは心の栄養になります。 日常と同じものを食べると安心感につながりますし、食欲がなくても好きなものなら食べ られるかもしれません。
子どもなどはストレスを受けやすく、急にごはんが食べられなくなることがあります。
日頃から食べ慣れた好みの味をストックしておきましょう。 チョコレート、フルーツ缶、スナック菓子などの甘いものやココアなどの嗜好品、 大人であればコーヒーや気分転換になる少量のお酒もおすすめです。
4.非常時に持ち出しやすいもの
避難所で生活する場合に備えて、 非常時の持ち出しについても考えておかなければなりません。 持ち出し用には、缶詰よりも軽くかさばらない袋入りのものなどがお勧めです。サプリメント (病院処方の薬ではありません)など日頃から摂っているものがあれば、それも持っていきましょう。サプリメントは、 偏った栄養バランスを効率よく補正し、整えてくれますので、 あると便利ですが、何より食事第一に考えましょう。
「災害時に備えた食品ストックガイド」 出典 農林水産省ホームページ