子どもを守る!避難について考える(3)

1.市の災害時用備蓄物資
長崎市では、長崎市地域防災計画に基づき、食料、飲料水、生活必需品などを備蓄しているといいます。
備蓄物資には、 備蓄食糧や非常用トイレ袋などの生活用品のほか、 避難所用品のパーテーシ ョンや避難所用マットなどがあり、大規模災害時には、事業者との災害連携協定に基づき、 流通備蓄を優先的に確保することとしているようです。
その他、 他自治体や九州市長会などによる支援体制を整えているといいます。
避難所に行くと避難設備が整っているでしょうし、避難所に行かなくても、 または行けなく ても、必要に応じて備蓄品の配付は行われると思いますので、 災害時は自治体の情報をこま めにチェックするようにしましょう。
また、災害時は自治会のつながりというのも大きいものです。 情報の共有もしやすく、助け合いもしやすくなります。 改めて自治会加入について考えてみてはいかがでしょうか。

2. 災害が発生すると、地域の環境が一変しますので、日頃から災害発生時に備えて十分な準 備をしておくことが必要になります。
◆避難のための備え◆
避難時に必要な持ち物を確認し、定期的に補給交換しましょう。
□貴重品・・・現金、預金通帳、印鑑、 免許証、健康保険証など
□照明器具・・・懐中電灯、 ろうそくとマッチ
□非常食や飲料水・・・ 缶詰 (缶切り)、乾パン、ペットボトル等 (目安は3日分)
(備蓄におすすめの食材)
おすすめの食材です。 補える栄養素や食べ方のポイントなど参考になさってください。
○缶詰
缶詰は肉・魚・豆などがあり、不足しがちなタンパク質を多く含んでいます。 鯖の味噌煮、ミートソース缶など、 味付け調理済みのものから、ホタテ・アサリ 鯖などの水煮缶などの素材まであり、種類が豊富です。 例えばツナ缶などはそのまま食べるだけでなく、ごはんや 麺類の出汁にする、 野菜と一緒に炒めるなど、幅広い調理に活用できます。 長期保存が可能 で、ローリングストックに最適です。
○レトルト食品
レトルト食品には丼、カレー、 ハヤシライス、パスタソースなどがあります。 タンパク質を 多く含み、食事のメインになります。 最近は温めずにそのまま食べられるレトルト商品もあり、ストックしておくと便利です。 レトルトごはん、レトルトおかゆも最近は味や種類も豊 富で湯煎すれば簡単に温かいごはんが食べられるため、 必要量を備蓄しておきましょう。
○味噌汁・スープ
インスタントの味噌汁、粉末やフリーズドライなどのスープなどがあります。 不足しがちな ビタミン・ミネラル・食物繊維を補います。 お湯を注ぐだけで食べられるため、 非常時だけではなく、普段使いにもおすすめです。温かい飲み物は空腹を満たし、心と体がホッとし、 生きる力を生み出します。 箸や器も忘れずに用意しておきましょう。
○乾物
のり、ひじき、切り干し大根、 わかめなどの食材です。 野菜や海藻、魚介、 肉類を長期間に わたって保存できるように乾燥させたもので、常温保存できるため、 備蓄食材に適していま す。 非常時は生鮮食品が手に入りにくいため、ビタミン・ミネラル 食物繊維不足に陥りや すいため、備蓄しておくと役に立ちます。 水につけて戻せば食べられて、包丁も火も使わず に調理できるレシピがたくさんありますので、日頃から食事に取り入れてみましょう。
○昔ながらの保存食
地域や家庭に伝わる、 昔ながらの保存食も見逃せません。 例えば高野豆腐などはたんぱく源 になりますし、干シイタケやタケノコの塩漬け、 野菜の粕漬などは野菜不足を補うのに役立 ちます。 また梅干しや青菜なども災害時に作るおにぎりなどで重宝します。 漬物や地元の乾 物、 保存食などを見直し、 備蓄食料に活用しましょう。 千芋なども袋入りで重くなく、 食物 繊維が多く、おやつとしても食べられますので重宝します。
○麺類
カップ麺、 即席麺 乾麺など。 カップ麺や即席麺はラーメン、焼きそば、 そば、うどんなど さまざまな種類があり、 賞味期限も長く備蓄食料に最適です。 乾麺もそうめん、うどん、そば、パスタなど麺類が豊富で、エネルギー源になります。 火が使えずお湯が用意できないときも、カップ麺は水を入れて1時間ほど待てば水でも食べられます。
○菓子・嗜好品
チョコレート、ビスケット、チーズケーキ、飴、スナック菓子、 羊羹、ジュース、 飲料水、 コーヒーなどがあげられます。 非常食は塩気があるものが多く、甘いものが食べたくなる人 は多くいます。 甘いものを食べる時間は、 被災中の癒しとしてストレス解消にもつながります。好みの日持ちのする菓子・嗜好品をストックしておきましょう。
□医薬品・・・服用している薬、お薬手帳や医療機関などを記入したもの(コピーも可)
お薬手帳も日頃持病などで服薬されている方は必ず手元に準備しておきましょう。
万一かかりつけが被災しても、手帳があって服用している薬などがわかれば、服薬が続けら れる可能性が高くなります。 また、 自宅が被災して離れた場所に避難しても、近くの病院で 診察や処方が容易になりますから、 持参するようにしましょう。
□衣類・・・下着、着替え、 タオル
□衛生用品・・・ティッシュ、歯ブラシ、生理用品、 爪切り、マスクなど
災害時に特に手に入りにくくなるトイレットペーパー、 詰め替え用ティッシュ、ウェ ットティッシュ、 生理用品などは普段から少し多めに購入して備蓄しておきましょう。
□緊急連絡先一覧表・・・家族親戚、医療機関、サービス利用者はケアマネージャーなど
□その他・・・眼鏡(コンタクト)、入れ歯、補聴器など
そして忘れがちなのが眼鏡です。 コンタクトを使用しているとあまり眼鏡を使用しないため、忘れがちになります。 水などがストップするとコンタクトの洗浄ができなかったりしま す。
使い捨てのコンタクトの場合でもずっと入れっぱなしにはできませんので、忘れないように眼鏡は持参しましょう。

3. 自宅や地域の安全対策
日頃から家の中を整理して置くことで、 避難が容易にできるようになります。
・家の中、 周辺の整理整頓を心がけ、 災害発生時の逃げ道を確保しましょう。
・家具を安全な位置に配置し、 転倒防止グッズで補強しておきましょう。
意外にテレビなどは飛んできやすいので、ベルトなどで固定しておきましょう。
・ガラスで怪我をしないよう、飛散防止用フィルムをはりましょう。
夏の暑さや冬の寒さを和らげるフィルムなどでもいいのではないかと思います。
・ストーブなどの近くに倒れやすい家具や燃えやすいものを置かないようにしましょ
う。
・自治体ホームページに掲載されている地域ごとの防災情報マップを確認し、起こりや
すい 災害を想定しましょう。
・地域の防災訓練に参加し、地域の方と顔なじみになっておきましょう。
4.避難中は子どもの心身の状態にも気を配る
子どもは不安から蕁麻疹などのからだの症状が出たり、日頃は見られない行動が現れることが多くなります。 大人でもそうなのですから、子どもはさらに怖くて不安なはず。 できるだけ子どもと一緒にいるようにしましょう。
気をつかうがんばり屋さんの子どもは、特に負担が大きくなりがちですので、 大人が気を付けるようにしましょう。
・抱っこや痛いところをさするなど、スキンシップを増やすようにしましょう。
・怖かったことや悲しかったことを、ゆっくり聞いてあげましょう。
・赤ちゃん返り依存・わがままなどは、叱らずに受け止めてあげましょう。
・食事や睡眠などの生活リズムをくずさないようにしましょう。

まとめ
これから梅雨末期を迎え、大雨が降る可能性が高まります。
また、台風シーズンを迎え、 避難することになったり、停電や断水などに遭うかもしれません。
「いざというときの備えをする」と考えると大変ではありますが、日頃の生活の延長と して準備をすると心の余裕もできますし、ストレスも最小限で済むかもしれません。
まさに 「 備えあれば憂いなし」 ですね。