日々のこと

ハラスメントをなくすための具体的な取り組みとは

まりん
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「ハラスメント」ということばが聞かれるようになって久しくなります。

仕事柄、いろいろなお客様とお話させていただくことがあります。

お褒めいただくこともあれば、お叱りを受けることも多いのですが、圧倒的にお叱りを受けることの方が多いです。
すべてがハラスメントとは思いませんが、ときには言いがかりでは?と思えるようなこともあります。

ここではカスタマーハラスメントにどのように対応したらいいのか、体験を含めてお話したいと思います。

お客様のお役に立ちたいという気持ちを伝える

私がクレーム対応で心がけていることは、まず相手の言い分を十分聞くことです。
クレーム対応でのお客様とのコミュニケーションには緊張があり、態度も冷たくなりがちです。

クレームの内容がお客様の勘違いに起因したものだったにも関わらず、説明してもこちらの話を聞いていただけず、一方的に何度も何度も怒鳴られてしまうと、最初からそうする意図があるわけではなかったのに、つい冷たい対応になってしまったということが多いように思います。

なぜそうなるのかというと、「お客様のお役に立ちたい」という気持ちが相手に伝わっていないからではないかと思います。

以前私があるデパートで、義母への贈り物を探していた時のことです。
「この〇〇が欲しいのですが」と店員さんに尋ねたところ、「それはうちには置いていないですね」と一言。
「そうですか⋯」と答える私に「はい」と一言。

無いものを出してとは言いませんが、何となくすっきりしません。
「あいにく当店には置いていなくて。申し訳ありません。」とでも言ってもらえたのなら、またちょっと違ったかもしれません。
大手の有名なデパートなのにこの対応?と残念に思い、「では結構です」と言ってデパートを出ました。
何となく気持ちの良くないコミュニケーションでした。

その後別のデパートで「この〇〇が欲しいのですが」と店員さんに尋ねたところ、「申し訳ありません。その商品はうちには置いていないのですが、どのようにお使いになりますか?」と言っていただけたのです。
用途を説明したところ、「それでしたら同じようにお使いいただける別のお品がございますが、よろしければ見ていかれませんか?」と案内してくれそうな様子です。

途端に嬉しくなって、「お願いします」と案内していただき、無事に購入することができました。
私も笑顔、店員さんも「気に入っていただけて良かった」と笑顔です。
今回は幸いに目当ての品が見つかりましたが、たとえ相手の要望に応えることができなかったとしても、「お役に立ちたい」という気持ちが伝われば、お互いにいいコミュニケーションが取れると思います。

また、たとえ目当てのものが手に入らなかったとしても、このような対応をいただけたら「仕方ないな」とあきらめることができるものです。

粘り強く説明することに注力する

時折、実現不可能な要求をされるお客様に出会うことがあります。
このハードな要求がすべてハラスメントかというとそうではありません。
お客様はそれぞれの事情を抱えていらっしゃることも多く、まずは粘り強くお話を聞き、説明をすることが第一です。

これで8割ほどはご理解いただけます。確かにそれでも収まらない場合もあります。
そういう時には上司に入ってもらうなどして、冷静に対処します。

最近はハラスメントという言葉が多用されて、すぐに「ハラスメントだ」となりがちなのですが、まずはしっかりお客様と向き合うことが大切です。

テレビで報道されている「カスタマーハラスメント」は、本当に犯罪だと思えるほどひどく、心が痛みます。どんなに対応してもどうしようもない場合もあります。
そのような時には彼害届を出したり、専門機関に相談したりということになってしまうと思うのですが、これはハラスメントのごく一部で、すべてがこうではありません。

まずはお客様と粘り強く、冷静に話すことを大切にしましょう。

ハラスメントをさせない

お客様にもいろいろ事情を抱えていらっしゃる方がいます。

例えば私がお会いした男性は、お付き合いしている方に急にプロポーズをすることになり、そのサプライズに以前からお相手が欲しいと言っていたものをプレゼントしたいと考えておいでいただきました。

しかし、以前彼女とご来店いただいたときにはあった品が今は売れてしまってなく、時間もないことからかなりのご立腹でした。

代わりのお品をお勧めしても納得いただけず、他のお店を紹介しても彼女はここの商品が好きなのだと怒鳴り続けます。

彼にとっては大切なシーンになくてはならないものであり、しかも大切な方へのプレゼントであるとなれば、なおさら怒りをぶつけたくなるのも理解できます。
おそらくご本人もここで怒ってもどうにもならないことや怒りをぶつける相手がここではないということも理解していると思うのです。
でも、そこを責めてしまうとさらに次の怒りを産んでしまいます。

それがたとえ勘違いであったとしても、理解していただけるように説明をしなければなりません。言い換えれば、どんな状況でも、お客様に冷静に判断していただけるように、ハラスメントをさせない対応をしなければならないのだと私は考えています。

結果、彼はプロポーズ用には似た商品を選び、もし、彼女のお気に入りの商品が再入荷するようであれば取り寄せて後日プレゼントしたいということでお買い上げとご注文をいただきました。

お客様に冷静に判断していただけるように、ハラスメントをさせない対応をしなければなどと言うと「それは理想、現実とは違う」という声が聞こえてきそうです。

確かに理想と現実は違うかもしれません。でも、それでも努力は必要で、最大限の努力をしながら、相手の言い分をよく聞いて、状況を判断しながら対応しなければなりません。

それが結果としてお客様と私たち両方を守ることになります。

ハラスメントは異常  判断のポイント

とはいえ、ハラスメントは異常行為です。
単純に言えば「嫌がらせ行為」で、あってはならないことです。

強い言い方がすべてハラスメントにあたるかというとそうでもなく、ソフトな言い方でもハラスメントにあたることもあります。

それでは判断のポイントは何でしょうか。

それは「客観性」です。

一般的にハラスメントは双方で意見が食い違うことが多いです。
された方は「ハラスメントを受けた」と言い、相手は「やっていない」「そんなつもりではなかった」と言います。
これは互いに嘘を言っているわけではなく、主観的な主張をしているだけで、これでは水掛け論でいつまでも解決しないのです。

解決のためには客観性が必要になります。
状況判断が必要で、第三者の視点、つまり常識的な考え方が必要になります。

具体的な例をあげてみましょう。

どんなに正しいことを言っていても、相手に暴力をふるったらどうでしょうか。
どんなに言っていることは正しくても暴力をふるえば犯罪です。

本人にはそのつもりはなくても、客観的に見て、常識的に判断することが大切なのです。

しかし、常識は人それぞれじゃないかという声が聞こえてきそうです。

だから前に言った「第三者の視点」で「客観的」にということが必要なのです。

上司が女性職員の頭を撫でたということで、「嫌な思いをした」と女性は上司のハラスメント行為を訴えました。
他人から頭を撫でられるのは私も同じ女性として不快感を覚えると思います。
しかし、上司の方は日頃からよくやってくれている職員への感謝とねぎらいを込めてやったことで、ハラスメントではないと主張します。
双方の意見は食い違い、解決が見られないことから、弁護士を中心とした第三者委員会を立ち上げました。他の職員にも聞き取りを行い、90件以上のハラスメントを確認しまし、客観的にハラスメントが認められたということです。

報告・連絡・相談の必要性

大きな会社ではトラブルに対し、第三者委員会を立ち上げることもあるでしょうが、小さな会社や事業所などではどうでしょうか。
第三者委員会を立ち上げることは現実的に無理のような気がします。

それではどうしたらいいのでしょうか。

私も小さな事業所に勤務していますが、そこでは報告・連絡・相談を大切にしています。以前、ここでもカスタマーハラスメントが発生したことがあり、その際に報告・連絡・相談を密にして乗り切ったと聞いています。
それ以来この3点を大切にしているそうです。

ハラスメントが疑われる事案が起きたり、そういう展開になってきたら、この状況を上司や同僚に報告・連絡・相談してどうしたらいいのか判断を仰ぐのです。

当事者同士では感情的になりやすく、また言った・言わないでもめます。
複数の職員で判断すれば、客観的に判断ができるでしょう。

でも、一方で職員は会社側の人だから中立ではないじゃないかという声も聞こえてきそうです。
確かに完全に中立ではないかもしれませんが、ハラスメントをされた本人ではないので、冷静に常識的な判断ができるのではないでしょうか。

まとめ

ハラスメントには粘り強く対応し、相手に冷静に判断していただくよう努めます。
ハラスメントは許されるものではなく異常な行為です。
また、その判断は客観的に行われなければなりません。

先にあげた上司の部下へのハラスメントは相手が女性で、自分よりも立場が弱い職員に対して行っていました。同様のことを自分の男性部下には行ってはおらず、相手が弱い立場の人だから、女性だからと甘く見ていたのかもしれません。
常識的に見てハラスメントと言えるのではないでしょうか。

ハラスメントは「嫌がらせ」だと言いました。
された人が嫌だと言えばハラスメントなのですが、かといってその一存だけで決めつけるわけにもいきません。

ハラスメントは常に客観的に他人の目を通して判断されるものだと思います。

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まりん
まりん
会社員 2児のママ
家族構成:夫と男の子と女の子の双子の4人家族
趣味:読書 アウトドア活動 料理
2023年に一家で移住。 子育てや日常生活、お気に入りのものや暮らしの工夫などを紹介するライフスタイルブログです。日々の小さな喜びや発見を共有し、読者の皆さんと一緒に成長していけたらと思います。よろしくお願いいたします。
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